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Brass Ensemble Saturday / ブラス・アンサンブル・サタデー

Brass Ensemble Saturday / ブラス・アンサンブル・サタデー

ユーフォニアム担当の石田です。

以下は、マニア向けの内容になりますがご了承ください。またネタバレを含むので、映画「リズと青い鳥」と映画「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」をご覧になっていない方で、これから観ようと思っていらっしゃる方はご注意ください。

リズと青い鳥BD
(山田尚子監督の色紙と録音台本付き「リズと青い鳥」BD)

最近、映画「リズと青い鳥」を久しぶりに観た(わざわざ「映画」と謳うのは、吹奏楽曲の名前でもあり、架空の童話の名前でもあるので)。すると、わかったのだ。なぜ、「誓いのフィナーレ」でみぞれと希美のセリフが一切なかったのかが。

「リズと青い鳥」と「誓いのフィナーレ」は、同時期の出来事を描いている。言うまでもなく、前者はみぞれと希美の物語、後者は久美子の物語である。同じ北宇治高校吹奏楽部なのに、画風やキャラクターデザインが違うのは、視点が違うから。みぞれまたは希美が見ている北宇治高校吹奏楽部か、久美子が見ている北宇治高校吹奏楽部かで、これだけ見え方・感じ方が違うのである。

さて「リズと青い鳥」は非常に繊細な世界を精緻なタッチで描いている。完璧に完成された二人の世界。誰も汚すことは許されない神聖な領域。「誓いのフィナーレ」において、同時期に繰り広げられる久美子の世界でみぞれや希美が言葉を発したとしたら「リズの青い鳥」の中で起きた事象となり、完成されている二人の世界に影響を及ぼしてしまうのだ。

では「リズと青い鳥」で描かれた時期より後に当たる、コンクール本番以降のシーンなら「誓いのフィナーレ」で言葉を発してもいいのではないか、とも思える。「リズと青い鳥」中で、みぞれの演奏を支えきれなかった希美がその後どうだったのかが、ファンとしては非常に気になるところであった。しかし「誓いのフィナーレ」では、セリフでそれを示さなかった。演奏シーンだけで表現した。そして観客の想像力で補わせたのである。

すごいと言わざるを得ない。「リズと青い鳥」の世界は「誓いのフィナーレ」でも保たれていたのだ。

「リズと青い鳥」は「誓いのフィナーレ」によって完成したのである。
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