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Brass Ensemble Saturday / ブラス・アンサンブル・サタデー

Brass Ensemble Saturday / ブラス・アンサンブル・サタデー

永田和宏さんという歌人をご存知でしょうか。
細胞生物学者で、京大の名誉教授でもある人なんですが、その人が興味深いことを言っています。

永田さんの奥さんも歌人で、乳がんを煩って亡くなってしまったのですが、奥さんが死の病床にあるとき、奥さんに対する自身の気持ちを次のような歌に詠んだそうです。

歌は遺り歌に私は泣くだらういつかくる日のいつかを怖る

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大変悲しい心境を詠んだ歌なのですが、このときのことを永田さんは次のように振り返っています(『家族の歌』文春文庫より)。
「(この歌の素晴らしい出来栄えに対して)「喜んだ」と正直に言っておこう」
どんな悲しみを表現するときにも、表現を生業とする者である以上、出来栄えを強く意識し、いい歌を作りたい!という思いが働いているそうです。
で、いい歌ができたら、「よっしゃ!」ってなるそうです。

…このエピソード、単純にカッコいいなと思いました。
なので紹介させていただきました。

何が言いたかったかというと、
どんなときでも出来栄えへの執念を持ち続けたい!
ってことです。

仕事が忙しかったり、体調が悪かったり、思うような演奏ができなかったりすると、「あーあ練習めんどくさいなー」となりがちな今日この頃ですが、それではつまらない。

演奏会に来てくれるお客さんは、いい演奏を聴いて、楽しみたいと思うからこそ来てくれるはず。
主催する私たちも、いい演奏をして、お客さんと喜びを共有したいと思ってこそ、音楽を楽しめるのだと思っています。

本番が近づき、師走が近づき、日々の忙しさにかまけて大切なことを忘れてしまわないよう、ここに書きつけておきます。

出来栄えへの執念を持ち続け、演奏活動を楽しむこと!

Tp山本
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